みんな手酌でみんないい

集まってお酒を飲むこともすっかりなくなってしまった。飲み会は遠い思い出の彼方に。そこで思い出すのは、グラスセンサーを持つ人のことだ。

人のグラスが空になると、すぐにお酒を注ぐ人がいる。僕なんかは本当にぼんやりお酒を飲んでおり、誰がどれくらいお酒を飲んでいるのかなんて全く気にしないのだけど(それで若いころは上司に怒られたりしたけど)。

でも世の中には、センサーでもついてるのかなというくらいのスピードで「注ぎましょうか」と瓶ビールを掲げる人がいるのだ。上下関係とかない、フラットな場だとしても。そういうマナーのもとで育てられたのだろうけど、誰かのグラスを常に視界に入れながら飲むのは大変だろうなぁと思う。

というか、このマナー自体「俺のグラスが空になったのに気づかないのか」という昭和の臭いをうっすらと感じる。良くない。グッバイ昭和。みんな手酌でみんないい。そんな世の中を目指そうではないか。日本手酌党の旗揚げである。

日本手酌党は誰かのお酒の進み具合を気にしない。「飲まないんですか?」と聞かないし、ましてや飲むことを強制しない。自分のお酒のことは自分でやり、ビール瓶の中身がなくなったらみんなの分を頼む。自助と公助の両立である。

しかし、コロナ禍で飲み会の数は激減。日本手酌党は活動の場(笑笑など)を失い、すわ解散かと思われたが、ステイホームにより手酌人口は一気に急増。若年層から高齢者まで幅広く党員を確保し、次の国政選挙に向け地盤を着実に固めるのであった。なんの話でしたっけ。