頭上注意

電車に乗ってたら、足元に「頭上にご注意ください」というシールが貼ってあるのを見つけた。

「頭上注意」って目の高さに書いてあるイメージである。だいぶ低い。注意喚起にしては控えめな性格。俺が俺がじゃない。

一瞬そう思ったのだけど、貼ってある場所をよく見て考え直した。

頭上注意シールの下にあるのがコンセントで、上にあるのがドリンクホルダーである。

これはもしかして、コンセントを挿すためにしゃがむ→挿さる→元の姿勢に戻ろうとする→ドリンクホルダーに頭をぶつける、という流れの注意ではないか。

そんなうっかりパターンまで心配してくれるのか。

でもここ、座席と座席のあいだが狭いので、ちょっと手を伸ばせばコンセントに届く。床に這いつくばるくらいの気持ちじゃないと頭は入らない。あれかな、子どもが入ることを心配しているのかな。それだとコンセント関係なくすべてのドリンクホルダーに注意喚起しないといけなくなっちゃうな……。

そこまで気にかけてくれてありがとう。でも僕、もう大丈夫だから。ひとりでやっていけるから。お盆に実家に帰れなくてごめんね。

また電話するね。